マン・マシンの一体感こそ“Z”の信条。そのために、とことん基本に忠実、基本を磨き上げること。
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Photo(前):フェアレディZ Version T。ボディカラーはプレミアムルマンブルー(3P)〈♯RAE・スクラッチシールド〉(特別塗装色)。内装色はブラック〈G〉/本革・スエード調ファブリック。カーウイングスナビゲーションシステム(地デジ内蔵・HDD方式)+ステアリングスイッチ(オーディオ、ナビ、ハンズフリーフォン)+バックビューモニター+ETCユニット〈ビルトインタイプ〉はメーカーオプション。 Photo(後):フェアレディZ ロードスター Version ST。ボディカラーはダークメタルグレー(M)〈♯KAD・スクラッチシールド〉。内装色はブラック〈G〉/本革・ネットコンビ。カーウイングスナビゲーションシステム(地デジ内蔵・HDD方式)+ステアリングスイッチ(オーディオ、ナビ、ハンズフリーフォン)+バックビューモニター+ETCユニット〈ビルトインタイプ〉、レイズ製19インチアルミ鍛造ホイール&19インチタイヤはメーカーオプション。*スクラッチシールドはドアミラーおよびサイドシルを除く、車体色塗装部位に塗布しております。*ヘッドレスト、シートメインおよびシートサイドの一部、シートバックは人工皮革を使用しています。 |
スポーツカーの中のスポーツカーへ。スポーツカーに乗ることの本当の歓びは、クルマと一心同体になることにあります。 コーナーではスッと軽快にフロントが入ってゆく、アクセルを踏み込み、リヤタイヤが強力なトラクションを生み出してくれる。 そういったドライバーの要求に素直にクルマが反応してくれることで、ドライバーはまるでクルマが自分の手足になったかのように走りを自在に操ることができる。その瞬間ドライバーは走ることの歓びを体中で実感できるに違いありません。 そして、それを実現できるクルマこそが本当のスポーツカーといえます。 |
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ドライバーの感覚をすべての中心に考えるパッケージング。
“Z”というクルマは、きわめて基本に忠実、基本性能をしっかり磨き上げることを重視しています。
典型的なロングノーズ、ショートデッキのプロポーション。純粋に走りに徹した2シーター。
メカニズムもエンジンは自然吸気だし、サスペンションもコンベンショナル、そして野生の動物のように後脚で蹴りあげ、前脚で向きをコントロールするFRの楽しさの追求。
今回の最大の課題である軽量化とショートホイールベース化も同じ発想から生まれました。
技術のトリックも電子制御のマジックもいらない。基本性能を高めてこそ、そのパフォーマンスは人間の感覚にナチュラルに響き、人とクルマが一体になるようなドライビングの楽しさが得られると信じているのです。だから開発手法も、人間の感覚、つまりいかに五感に訴えられるかをテーマに、走っては改良、改良しては走る、という繰り返しで行ってきました。“Z”の技術とは、作り手の「人間力」だと言い換えることもできるでしょう。すべては「気持ちいい!」その一言のために。
Photo:フェアレディZ Version ST。ボディカラーはダークメタルグレー(M)〈♯KAD・スクラッチシールド〉。内装色はオレンジ〈R〉/本革・スエード調ファブリック。カーウイングスナビゲーションシステム(地デジ内蔵・HDD方式)+ステアリングスイッチ(オーディオ、ナビ、ハンズフリーフォン)+バックビューモニター+ETCユニット〈ビルトインタイプ〉はメーカーオプション。*スクラッチシールドはドアミラーおよびサイドシルを除く、車体色塗装部位に塗布しております。*ヘッドレスト、シートメインおよびシートサイドの一部、シートバックは人工皮革を使用しています。
パッケージング/ドライビングポジション
ヒップポイントを低くすることで、コーナリング中でも身体が左右に揺すられにくく、ドライバーの姿勢を安定させる。
また、パワートレイン搭載位置を低下させることで低重心化を実現し、運動性能を向上。
たとえば、濡れたコーナーの立ち上がり。アクセルをグッと踏み込んだ時の加速感へのこだわり。
思い切りブレーキングして減速し、ギヤを4速から3速、2速まで落とし、次にアクセルをグッと踏み込んで加速体勢に入る。そんな瞬間をイメージしてみてください。
山道の路面は変わりやすく、道はそこだけ濡れている。アクセルの踏み込み加減にいちばん気を使う、そんなシチュエーションです。ここで、自分の想像以上にパワーが出たら、これは怖い。
「おー、凄いパワーだ!」なんて喜んでいる場合ではありません。
FRの楽しさとは、姿勢変化をハンドル操作だけでなく、アクセルコントロールで変えられるところにある。
だからこそエンジンは、ドライバーの右足に直結しているかのように、踏めば踏んだだけ、想像をほんの少し超えるパワーが出るのがいい。それが走りをスポーツにしてくれるのです。
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Photo:シンクロレブコントロール付6速マニュアルトランスミッション
シンクロレブコントロール付6速マニュアルトランスミッションという発想。
コーナーの手前でブレーキングしながらシフトダウンして減速する。マニュアル車はもちろん、マニュアルモードを持つATでも、この時の減速感は走る楽しみを高める大きな要素でしょう。
特にシフトダウンの時に一瞬エンジンの回転数を高めて同期させる瞬間は、ドライバーに高揚感を呼び覚ますもの。そして、シフトチェンジがスパッスパッと上手く決まるとこれはもう気持ちいい。“Z”は、すでにATのマニュアルモードでエンジン回転を自動で同期させるシンクロレブコントロールを採用してきました。
これをマニュアル車でもできないものか? あるエンジニアが言いました。それは、ATもMTも世界一楽しいトランスミッションにしたいという気持ちから湧いたアイデアです。